あ行
- 秋サバは嫁に食わすな
- サバは秋には脂がのって大変美味しくなります。嫁に食わせるのは惜しい、勿体ないという、姑の根性を云ったもの。
- 鮎鯛のことは鯒知らず
- アユ・タイ・コチをうまく使った洒落言葉で、「二人で決めたことは、私には知らないし責任ないよ。」ってことですね。
- アラを探す
- 魚を三枚におろすと、頭と骨が残ります。これをアラと呼びますが、アラの間についているわずかな身をほじくって食べること。他人の欠点や僅かなミスを見つけて指摘する意味を表します。
- 慌てる蟹は穴に入れぬ
- 鳥など天敵に襲われた蟹が慌てたため穴に逃げ込めずに食べられてしまう様子を言ったもので、「何事も慌てると失敗する」というたとえです。
- いかさま(烏賊様・如何様)
- 釣りは餌をつけて釣るのがたて前。だが、イカの場合は疑似バリを使い、騙して釣ることから、人を騙す行為(詐欺)や、バクチなどで誤魔化す行為を「イカサマ」といいます。
- 磯のカサゴは口ばっかり
- 磯に住むカサゴは、大きな口に身が少ないことから、「大口を叩いて実行力のない人」をいうたとえです。
- 一尾飛ぶと下に千尾
- トビウオの漁を占う漁師言葉。一尾は「氷山の一角」。万と数えられる魚の中で、空を飛べるのはトビウオただ一種。
- 鰯網で鯨捕る
- 鰯を捕ろうと仕掛けた網に鯨が入ってしまった様子を、思いがけない幸運に恵まれたというたとえで云います。
- イワシ七度洗えばタイの味
- イワシは脂肪が多く生臭い大衆魚ですが、よく洗って生臭みを落とせば、タイのような美味しい魚だという意味です。ごく平凡な人間でも、よく磨けば能力を発揮できるようになるというたとえです。
- 鰯のたとえに鯨
- 小さなことを説明するのに、大きな例をあげること。不適切な説明のこと。
- 魚心あれば水心
- 相手が自分に対して好意的であれば、自分も相手に対して好意的に接するというたとえ。
- 魚の水を得たよう
- 能力を発揮できる環境を与えられて、のびのびと活動するさまのたとえ。
- 魚の目に水見えず、人の目に空見えず
- あまりに身近にありすぎて、どんなに大切なものでも、その価値に気づかないでいること。(魚:水、人:空気
- 内の鯛より隣の鰯
- 隣の芝生と同じで、他人の持ち物はよく見えるというたとえ。
- 海魚腹から、川魚背から
- 魚の開き方のコツです。干し物は、海魚も背からですが、地方によって異なりますね。
- 海背川腹
- 魚の焼き方のコツです。一般的に川魚のように脂肪の少ない魚は、開きにした身の内側を先に焼きます。反対に海の魚は皮の方から焼けば、うまく焼けるということわざです。
- 蝦で鯛を釣る
- 安価なエビで高価な鯛を釣る。少しの負担や労力で大きな利益を得ることのたとえ。
- 蝦の鯛交じり
- 弱者が強者の中に交じっていること、また愚者が賢者の中に交じっていることのたとえ。
- 大船に乗る
- 大きな船は難破の恐れがなく安心して任せられるということから、頼りになる人に任せて安心するさま。
- 沖のハマチ
- ハマチは沖を回遊する魚ですから、いつやってくるかわかりません。転じて、当てにならぬことのたとえです。
- 及ばぬ鯉の滝登り
- いくら努力しても、自分の目的が達せられる見込みがないことをたとえて云います。
か行
- 貝殻で海を測る
- あさはかな知識しかないのに大きな問題を論じたり、判断したりすること。
- 蟹は食ってもガニ食うな
- ガニは蟹のエラのことです。いくら蟹が美味しくても、エラまで食べてはいけないということです。毒はありませんが、寄生虫の恐れがあり、昔の人はこれを食べると中毒を起こすと考えていたようです。
- カニは甲羅に似せて穴を掘る
- カニは自分の体にふさわしい穴を掘って住んでいます。転じて身分相応に振舞えと云うことです。
- 寒ブリ・寒ボラ・寒ガレイ
- ブリ、ボラ、カレイは、寒の季節が旬であるということわざです。似た言葉に寒ブナ・寒ボラ・寒スズキという言葉もあります。
- 木に緑りて魚を求む
- 木に登って魚を求めるように、手段が誤っているのに、何かを求めようとしても何も得られないこと。見当違いの実らない努力をする行為。
- 漁夫の利
- 両者が互いに争っている間に、第三者が骨折らずに、その利益を横取りしてしまうこと。鷸(シギ)が蚌(ドブガイ)の肉を食べようとして貝にくちばしを入れるとはさまれてしまい、両者が争っている間に、漁師が来て両方とも捕らえてしまった、という話からです。
- 腐っても鯛
- 質の良いものは、少々いたんでもその本質は残っているということわざです。実際に、鯛の身は他の魚に比べると細胞が分解しにくく、鮮度が落ちにくいようです。
- グチをこぼす
- イシモチやニベは別名「グチ」と呼ばれ、釣り上げた時に「グーッグーッ」と低い音を出します。そこから、ブツブツと不平不満をこぼすことを云います。
- 鯨飲馬食
- 鯨が水を飲むように酒を飲み、馬が餌を食べるように沢山の食物を食べる様。多量の飲食を一度にすること。
- 鯉が踊れば泥鰌も踊る
- 劣っている者が、いたずらに優れている者のまねをすること。
- 鯒の頭には姑の知らぬ身がある
- 一見骨ばかりのコチの頭でも、量は少ないけど美味しい身があり、特に頬の肉は特別の美味しさ。人が捨てるような物にも、よく探せば価値のあるものが見つかるというたとえ。
- ゴマメの歯ぎしり
- ゴマメはカタクチイワシの幼魚を干したものです。転じて力のないものが、やたらと意気込んで憤慨することのたとえです。
- 鮴押し
- 物事を強引に押し進めること。川底に小石を乗せたむしろを敷き、そこにゴリを追い込んで捕獲する強引な漁法による。
さ行
- 鯖の生き腐れ
- サバは肉質が軟らかくて血合いが多く、傷みやすい魚です。新鮮に見えても腐りかけていることがあるので、気をつけろということわざです。
- 鯖を読む
- 数や勘定をごまかすことをサバを読むと云いますが、サバは傷みやすく、手早く処理しなければならないため、大まかに数えたことからたとえとなったものです。
- 三月鮃は犬も食わぬ
- 春暖かくなったころ、ヒラメは産卵で岸近くにより、たくさん捕れますが産卵の直後は身がパサパサで、犬も食べないほど美味くないというたとえです。
- 白魚もさかな、鯨もさかな
- 大小などのみかけだけで人や物を判断してはいけないというたとえです。
※尚、ことわざには使われていますが、鯨はさかなではありませんので念のため。
- 水魚の交わり
- 魚は水がなければ生きていけないように、離れがたい、非常に密接な交際や友情のたとえ。
- 船頭多くして船よく山を登る
- 船頭さんがたくさんいると、あっちだ、こっちだとあらぬ方向へ進み、とんでもないところに行き着いてしまう。リーダーが多いと議論がまとまらず、結局方向性がみいだせないと云うたとえ。
- 俎上の魚
- 相手の思い通りになる運命にあり、自分ではどうしようもない状態にあることのたとえ。
た行
- 鯛の尾より鰯の頭
- 大きな組織で低い地位に甘んじているよりも、小さな組織でその指導者になるほうがよいということのたとえ。
- 鯛も一人はうまからず
- どんなに美味いものでも、一人だけで寂しく食べるのでは美味くない。食事は大勢で食べるのが美味しいということのたとえ。
- 鯛も鮃も食うた者が知る
- いくら見たり聞いたり書物を読んだりしても、実際に経験しなければ物事の本質は見えてこないということのたとえ。
- 高い船借りて安い小魚を釣る
- 採算が合わなくても好きなことのためには金を惜しまない道楽者のことをいうたとえ。
- 蛸は身を食う
- タコが空腹のときに自分の足を食うように、不振の会社が資本をなし崩しに費消するたとえ。また、働かずに財産を食いつぶすたとえ。
- 鱈汁と雪道は後がよい
- タラ汁は、煮るほどに身がほぐれて出汁もでて美味しくなる。雪道も多くの人が歩き、踏み固めた道のほうが歩きやすい。ということをかけ合わせたことわざ。
- 鱈腹
- タラは、大食漢でなんでもお腹一杯食べてしまうのでいつも大きなお腹を抱えています。転じてお腹一杯に食べることを「タラ腹食う」といいます。
- 月夜の蟹
- カニは月夜の水に写る自分の姿に恐れ、身がやせるという伝説があります。実際は脱皮などで肉がやせているカニを月夜カニといい、美味しくないとされています。
- 出鱈目
- タラは手当たり次第、食べてしまうことから、出たとこ勝負でいい加減な行動を出鱈目という。
- 出船に船頭待たず
- 風待ちの船が順風が吹いてきたら陸に上がっている船頭を待たないで出港するように、チャンスが到来したら回りの状況や事情にかまわず、すぐ行動しなさいというたとえです。
- トドのつまり
- ボラは、オボコ、スバシリ、イナ、ボラ、トドと成長するに従って呼び名が変わる出世魚。最終の成魚名が最も有名なのが一般的ですがトドだけが例外です。結局は、結論は、あるいは最後にはという意味に使います。
- 土用の蛸は親にも食わすな
- 真ダコは真夏の抱卵期が旬といわれ、たいへん美味しいので親に食べさせるのさえ惜しいというたとえです。嫁に食わせないのが秋サバ、親に食わせないのが土用のタコ。
な行
- 菜種フグは食べるな
- なたねの花の咲くころ、フグは産卵期を迎え卵巣の毒性が最も強くなる時。この時期のフグを食べるなという昔からの言い伝え。
- 夏座敷と鰈は縁側がよい
- カレイの背びれと腹びれのつけ根を縁側といい、身が締まっていて特に美味しいと珍重されています。夏の座敷は風通しの良い涼しい縁側が良い。縁側をかけ合わせた風流なことわざです。
- 夏の栄螺は口ばかり
- 夏のサザエは痩せていて美味しくない。大口をたたく人や口だけで行動が伴わない人のたとえです。
- 夏は鰹に冬鮪
- 旬を表す言葉です。カツオは晩春から初夏にかけて黒潮に乗ってやって来ます。一方マグロは日本海を北上し、津軽海峡のイカなどを食べて脂ののった最高級品に育ちます。大間産一本釣りマグロはブランド品として有名ですね。
- 海鼠に藁
- ナマコをワラで縛ろうとすると身が切れるか、縮んでしまいます。転じて相手がたちまち弱って閉口する様子を云います。
- 塗り箸で海鼠を挟む
- 塗り箸でヌルヌルしたナマコはなかなか掴めません。転じて、無意味な骨折り、無駄な努力を言い表します。
- 猫を追うより魚をのけよ
- いくら猫を追い払ってもそこに魚がある限りまた来ます。物事は原因を考えて対処したほうがよいというたとえです。
- 猫にカツオ節
- みすみす食べられてしまうのはわかりきっていること。相手にみすみす利益を与えて、自分は損をしてしまうこと。
- 猫の精進
- ほしくて仕方ないのに、うわべでは辞退すること。好物の魚を目の前にして食べなさいといわれているのに、「いいえ結構です」と表面上は辞退する猫の様子。
は行
- 鯊の針では鯛は釣れぬ
- 鯊を釣る小さな針ではマダイはつれない。転じて僅かな利益を与えても人を動かすことは出来ないということ。
- 畑に蛤
- ハマグリを探して畑を掘っている様。見当違いで無駄な行動。
- 花見過ぎたら牡蠣食うな
- 牡蠣は5〜8月が産卵期、生殖巣が成熟すると毒化しやすく貝毒による食中毒を起こすので注意しなさいという昔からの教えです。
- 鱧も一期海老も一期
- ハモとエビは、価値も姿かたちも味も全て異なるけれど、どちらも一生は一生である。人も身分の上下、貧富など様々であるが、同じように一生を送るものだというたとえ。
- 左鮃に右鰈
- ヒラメとカレイの見分け方で、色のある側を上にして見たとき、目が左にあるものをヒラメ類、右側にあれがカレイ類と見分ける。しかし、厄介なことにヌマガレイはカレイ類で目が左側にある。
- 貧乏秋刀魚に福鰯
- 寒流に乗って来るサンマが豊漁のときは、冷害で農作物は不作、逆に黒潮とともにやってくる鰯が豊漁の時は豊作が期待できるという云われ。
- 河豚にも中れば鯛にも中る
- フグは毒を持っていて中毒を起こすことがあるが、タイでも食中毒を起こすことがある。転じて運が悪ければ安全といわれていても、事故や害になるということ。
- 釜中の魚
- 危険が目前に差し迫っているにもかかわらず、気づかずにのんびりとしてることのたとえ。
- 鰤起しの荒れ
- ブリは冬の魚、その頃の日本海は時化がつづく。十二月、鉛色の雲が厚く低く垂れて海と続き、雷鳴が轟く。この雷鳴を「鰤起こし」という。
- 盆過ぎての鯖商い
- お盆が近づくとサバの値段が高騰しますが、盆が終われば値が下がります。売り時を間違えて商いし、儲けを逃して役に立たないことを云います。
ま〜ん行
- 水広ければ魚大なり
- 水が満たされて広いところには大きな魚が棲んでいる。転じて、リーダーの度量が広ければ有能な人材が集まってくるということ。
- 水積もって魚集まる
- うまい儲け話があるところには自然に人が集まってくるというたとえ。
- 水を得た魚
- 自分に適した活躍の場を与えられて、活き活きと活躍する様子。
- 目から鱗
- よく理解できなかったことが、何かをきっかけに急に理解できるようになることをいいます。
- 柳の下の泥鰌
- 一度良いことがあったからといって、いつも同じ方法でうまくいくと思うなということ。
- 渡りに舟
- 絶好のタイミングで望んでいたチャンスが到来すること。