お魚の栄養
- 魚にはいろいろな種類がありますが、どんな魚でも栄養的に主な成分は同じで、タンパク質と脂肪です。
- タンパク質は20%前後で牛肉や豚肉などとくらべて大差なく、タンパク質のよい供給源です。
- 脂肪のふくまれかたは魚の種類や時期によってちがいますが、だいたい1〜10%ぐらいです。
- 魚の骨はカルシウムをきわめて多くふくんでおり、頭から骨ごとたべる小魚はカルシウムの最もいい供給源です。
- 魚肉はビタミンB1、B2をかなりふくみ、またウナギ、アナゴ、ハモなどは肉中にビタミンAを豊富にふくんでいます。
- 魚の内臓は、ビタミンAやDを多くふくみます。
お魚の栄養マップ
良質なタンパク質と肥満を防ぐ脂肪
- 人間の身体は主にタンパク質からでき上っています。ところで、この身体のタンパク質は人間が摂取する食物のタンパク質が、一度アミノ酸に分解された後、細胞の中でふたたびタンパク質に組み直されてできます。
- 従って人間が健康な身体を正常に維持するためには、タンパク質がいかに重要なものであるかがおわかりいただけると思います。
- 天然にある食品のタンパク質は、分解されると約20種類のアミノ酸になり ます。 その中で、アミノ酸自体で取らなければならないものが大人の場合8種類あります。これを必須アミノ酸といいます。栄養上、良質のタンパク質というのは、この必須アミノ酸を、バランスよく、必要とする量を含んでいるものをいいます。魚のタンパク質は、この点できわめて良質なものです。牛肉や豚肉にくらべて少しもちがいはありません。
- 魚のこのような良質のタンパク質は、また身体の中の塩分をぬく働きがあります。日本では魚を多く食べる漁村に脳卒中が少ないことが古くから知られています。
- 脂肪には、動物性のものと植物性のものとがあります。動物性の脂肪を多く摂取すると血管や心臓に負担が大きく、この点、植物性脂肪の方が良いことは以前から知られています。
- 魚は動物性ですが、その脂肪は植物性のものと同じように、不飽和脂肪酸を多く含みます。牛や豚などの脂肪にくらべて健康上良好なものなのです。牛や豚の脂肪は飽和の脂肪酸が多く含まれているため、これを多くとりすぎると血中のコレステロールがふえたり、動脈硬化を促進したりします。
- 魚の脂肪はこのように障害を起しにくいものなのです。
料理のポイント
煮方
- なべは浅なべで、魚が平らに一列に並ぶような大きさのものを選びます。
- 盛りつけた時、表になる方を上にして、頭と尾を交互に並べます。
- 煮汁の量は魚が少し見える位の量にします。
- 煮汁の煮立った所へ魚を入れ、落としぶたをして更になべぶたもします。
- 魚の下にミルポアー(※)をしくか、竹の皮やざるをしいて煮るとこげにくく、取り出しやすいです。
※ミルポアー……玉ネギやニンジンをうす切にしたもの
- 火かげんは強火 → 中火 → 弱火
- 骨までやわらかく煮るには、ウメボシ、酢を加えて長時間煮るか、圧力なべで煮ます。
- 魚臭を除くには、酒、ショウガ、こしょう、ウメボシ、ニンニク、サンショ、カレー粉などの香辛料を数種類用います。
- 照りを出すためには、ミリンや、水あめなども加えます。
- 新鮮な魚は、薄味でおいしくいただきます。
焼き方
- 魚を焼くあみをあらかじめ焼いておくと、魚があみにつきにくく、皮がはがれず、上手に焼けます。
- 塩(1〜2%)をふり、30分ぐらいしてから焼きます。(アユは直前に)
- 皿に盛りつけたとき、表になる方から焼きます。
- 焼きかげんは、こげ目を目安に焼き、裏返ししてからは火の通り具合を見て焼き上げます。
- 白身魚は少し手前で焼き上げ、青い魚(サバ、イワシ)は火が十分通るまで焼くとよいです。
- 火かげんは「遠火の強火」といって、火から距離のある方がよく、鉄弓を使うと便利です。
- 串焼きの場合、串は熱いうちにぬくか、熱いうちにまわしておけば後でぬいても、きれいにぬけます。
フライパン焼
- バター焼きは、厚めのなべにサラダ油とバターを少量ずつ使います。
- 少し煙が立つ位の所へ魚を入れて焼きます。
揚げ方
- 油の量は多い方が温度差が少なくてよいのですが、経済的には魚の厚さの2〜3倍位が適当です。
- 油は植物性の油(天ぷら油、サラダ油)などを使います。
- 揚げ温度は中温(170〜180℃)が適温です。
- 冷凍品は少し低温(160℃)から揚げ始めて徐々に高温にします。
- 魚の厚さは1?位がよく、あまり薄いとパリパリになります。
- 揚げた魚はよく油を切ります。(金あみの上に重ならないように並べます。)
- 使った油は温かいうちにこし、びんに入れて冷暗所に保存します。