お魚の栄養

お魚の栄養

魚にはいろいろな種類がありますが、どんな魚でも栄養的に主な成分は同じで、タンパク質と脂肪です。
タンパク質は20%前後で牛肉や豚肉などとくらべて大差なく、タンパク質のよい供給源です。
脂肪のふくまれかたは魚の種類や時期によってちがいますが、だいたい1~10%ぐらいです。

魚の骨カルシウムをきわめて多くふくんでおり、頭から骨ごとたべる小魚はカルシウムの最もいい供給源です。
魚肉ビタミンB1、B2をかなりふくみ、またウナギ、アナゴ、ハモなどは肉中にビタミンAを豊富にふくんでいます。
魚の内臓は、ビタミンAやビタミンDを多くふくみます。

魚と牛肉の栄養比較(可食部100g中)

サケイワシサンマ牛肉
エネルギー167 kcal213 kcal240 kcal184 kcal
水分69.3 g64.6 g61.8 g68.8 g
タンパク質20.7 g19.2 g20.6 g19.0 g
脂質8.4 g13.8 g16.2 g10.9 g
糖質0.1 g0.5 g0.1 g0.3 g
灰分1.5 g1.9 g1.3 g1.0 g
カルシウム14 mg70 mg75 mg4 mg
リン210 mg200 mg160 mg170 mg
0.9 mg1.7 mg1.3 mg1.8 mg
ナトリウム95 mg360 mg60 mg60 mg
カリウム330 mg340 mg140 mg350 mg
ビタミンA(レチノール)60 μg18 μg36 μg6 μg
ビタミンB10.22 mg0.03 mg0 mg0.10 mg
ビタミンB20.17 mg0.36 mg0.3 mg0.25 mg
ナイアシン8.4 mg7.7 mg5.2 mg4.8 mg
ビタミンC2 mg1 mg2 mg1 mg
食塩相等量0.2 g0.9 g0.2 g0.2 g

お魚の栄養マップ

良質なタンパク質と肥満を防ぐ脂肪

良質なタンパク質のおはなし

人間の身体は主にタンパク質からできあがっています。ところで、この身体のタンパク質は人間が摂取する食物のタンパク質が、一度アミノ酸に分解された後、細胞の中でふたたびタンパク質に組み直されてできます。
従って人間が健康な身体を正常に維持するためには、タンパク質がいかに重要なものであるかがおわかりいただけると思います。

天然にある食品のタンパク質は、分解されると約20種類のアミノ酸になります。 その中で、アミノ酸自体で取らなければならないものが大人の場合8種類あります。これを必須アミノ酸といいます。
栄養上、良質のタンパク質というのは、この必須アミノ酸をバランスよく、必要とする量を含んでいるものをいいます。
魚のタンパク質は、この点できわめて良質なものです。牛肉や豚肉にくらべて少しも違いはありません。
魚のこのような良質のタンパク質は、また身体の中の塩分をぬく働きがあります。日本では魚を多く食べる漁村に脳卒中が少ないことが古くから知られています。

肥満を防ぐ脂肪のおはなし

脂肪には、動物性のものと植物性のものとがあります。動物性の脂肪を多く摂取すると血管や心臓に負担が大きく、この点、植物性脂肪の方が良いことは以前から知られています。

魚は動物性ですが、その脂肪は植物性のものと同じように、不飽和脂肪酸を多く含みます。牛や豚などの脂肪にくらべて健康上良好なものなのです。
牛や豚の脂肪は飽和の脂肪酸が多く含まれているため、これを多くとりすぎると血中のコレステロールがふえたり、動脈硬化を促進したりします。
魚の脂肪はこのように障害を起こしにくいものなのです。